INTERVIEW
11/8 大阪から始まる全国アリーナツアー GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025“Back To The Pops”Presented by GLAY EXPO。ツアー目前に控えたメンバーインタビューを掲載いたします。 ※11/5にインタビュー実施
2024.11.8
TERU インタビュー
- アルバム『Back To The Pops』をリリースしてから少し経ちましたが、反響はいかがですか?
- TERU
10月31日にZepp DiverCityでハロウィンライブをやって、そこで『その恋は綺麗な形をしていない』以外のアルバム曲を披露したんですけど、お客さんが自発的に歌ってくれたり、自然と腕が上がった曲が意外と多くて。『Back To The Pops』はライブ映えする曲揃いだなって感じましたね。
- そこまで盛り上がった理由はなんだと思いますか?
- TERU
以前からライブで演奏してきた曲が多かったからかな。それと、TAKUROが「『Back To The Pops』は30年目のGLAYのデビューアルバム」だと言っているように、俺たちのルーツを感じる楽曲が多いからか、『V.』ではみんながいきなりサビを歌い始める場面もあって。アルバムをリリースする前は、「ライブでは、お客さんとたくさん掛け合いができるようにアレンジしよう」って話してたけど、そんなにアレンジしなくても十分掛け合いを楽しめるなって思いました。
- それこそ『Buddy』は昨年からライブでやっていましたし、もうすでに人気曲として育っているのかなと。
- TERU
そうだね。今のところ、『Buddy』は最後のコーラスを一緒に歌ってもらってるんだけど、Zeppですごく盛り上がったから、ツアーではサビもマイクを向けてみようかなって思ってる。
- GLAYのライブは、ステージモニターに歌詞が映し出される親切構造だから、無茶振りされても大丈夫ですもんね(笑)。
- TERU
そう、歌詞を忘れちゃってても一緒に歌える! 世間では「カラオケみたい」って言われてるらしいけど(笑)。サマソニでもTHIS FES([Alexandros]主催のフェス)でも、マイクを向けたら全員歌えるのがGLAYファンのすごいところだなと実感したので、じっくり聴かせるところは聴かせつつ、ワイワイ歌えるような曲の時は、マイクをみんなに預けようかなと思ってます。
- ただ、たとえアップテンポの曲でも、ファンの方が絶対聴きたいであろうフレーズは、TERUさんに歌っていただきたいなと…!
- TERU
それもファンのみんなによく言われる(笑)。『生きてく強さ』のサビなんて、リハーサルでしか歌ってないもんね。でも、せっかくの30周年なので、なるべくみんなが求めることに応えていきたいなと思います。
- 最近は音楽番組でアルバム曲を披露する機会が多かったですが、その感想はいかがですか?
- TERU
やっぱり、テレビで曲の良さを表現するのは難しいね。『さよならはやさしく』はDメロの高揚感とか、大事なところが2分半(テレビサイズ)には詰め込みきれなかったし。『BRIGHTEN UP』もサビがない状態でいきなりギターソロに入っちゃって、「エディット、これで大丈夫!?」って言ってたりしたから(笑)。あくまでもテレビは「こういう雰囲気の曲です」っていうのを伝える場で、本当の意味での楽曲の魅力は、ライブで体感してほしいなって思った。
- ピアニストの清塚信也さん・ドラマーのピエール中野さんと出演されたミュージックステーションでは、座った状態のTERUさんが、清塚さんのピアノに寄り添うように『HOWEVER』を歌い始める姿も印象的でした。
- TERU
よかった! あのスタイルはリハーサルの時に思いついたんだけど、「本番もこれでやってみていいですか?」って聞いたら、Mステのスタッフさんたちが、すごく驚きながらも喜んでくれたんですよ。その姿を見て「こういうアプローチもいいんだ!」って気づけたから、ツアーでもライブならではの遊び心を取り入れていけたらいいなと思っています。
- ツアーでは、どんな遊び心が飛び出すんでしょうね。
- TERU
初日の大阪公演とかは、そんなに余裕がないかもしれないけど、こなれてきたら“メンバーいじり”もしていきたいよね(笑)。ツアー中、清塚くんもどっかに来てくれるんじゃない?
- お!?
- TERU
後半のほうとか来てほしいなぁ……。清塚くん、待ってます!(笑)
- では最後に、TERUさんが“Back To The Pops”ツアーで注目してほしいところを教えてください。
- TERU
第一に、歌。ライブでお客さんの顔を見ながら歌っていると、レコーディングとはまた違った感情が歌に乗るので、注目してほしいですね。先日のZepp DiverCity公演で『Beautiful like you』の最後のパートを歌った時も、音源ではファルセットのところを、ライブではあえて地声で歌ったんですよ。そういった“その場でしか生まれない歌”を味わえるのがライブなので、CDを聴き込んできてもらうと、その違いをより感じられるんじゃないかなと思います。その上で、アリーナツアーは映像などにもこだわっていて、楽曲の世界観をすごく丁寧に落とし込んでいるので、演奏以外の演出も含めて『Back To The Pops』に浸ってほしいです。
- ちなみに、衣装にも各メンバーのこだわりが詰まっているそうですが、TERUさんの衣装はどんな感じでしょうか。
- TERU
EXPOの衣装って、1999年から2001年頃までは、半袖シャツとボンテージパンツが俺の定番だったんですよね。それがすごく良いなって思ったから、ベルーナドームで着た赤い衣装に引き続き、今回もEXPOを意識した衣装を予定してます。言ってしまえば、正装みたいな感じかな。TAKUROみたいに、あえていつもと違ったスタイリングにするのも面白いと思うんだけど、俺的にはEXPOに一貫性を持たせたかったので。衣装、歌……さまざまな角度から、自分が考える“GLAYのボーカル・TERU”をお見せしたいなと思っています。お楽しみに。
TAKURO インタビュー
- まもなく“Back To The Pops”ツアーが始まりますが、アルバム『Back To The Pops』のリリースから少し経ち、どんな反響が届いていますか?
- TAKURO
今回のアルバムには俺たちのルーツが色濃く反映されているわけだけど、特に40~50代くらいの同世代の人たちは俺らと同じルーツを持っているからなのか、非常に好意的に受け止めてくれてますね。今度のツアーではアルバムのほとんどの楽曲をやるんだけど、そのセットリストでいこうって決まったのも、そういう反響があってこそなんじゃないかな。だって、今まではアルバムを出しても、ツアーのセットリストがここまでアルバム曲で締められることってなかったもんね。
- その真意をセットリスト担当のJIROさんに直接聞いたりはしましたか?
- TAKURO
えっ、してない(笑)。ライブに関しては、俺はステージでギターを弾くだけで、細かいことは全部JIROに任せてるから、わからないなぁ……。アルバムの曲順を決める時は、運に任せてくじ引きで曲を選んだりもしたけど、ツアーのセトリはテンポから曲間の細かいところまで、JIROがきっちり考えてくれたよ。
俺たちも『Back To The Pops』を制作しながら、今のGLAYのアンサンブルの究極の形ができたんじゃないかとか、ロックバンドとしての面白みみたいなものを感じていたし。アルバムを受け取った人からも嬉しい反応があったから、そんな俺たちの自信の表れが、この選曲なんじゃないかなって思う。 - 今回のアルバム制作には、JAYさん(ENHYPEN)や清塚信也さん、ピエール中野さんをはじめ、多数のゲストが参加されましたが、ツアーはお馴染みのサポートメンバーと回られるそうで。音源とはまた違う表現を楽しめそうですね。
- TAKURO
そうだね。超多忙な清塚くんに、毎公演付き合ってもらうわけにもいかないしね(笑)。それに俺、ライブではレコーディングと同じようには弾いてないから。その瞬間に思ったようにしか弾かないから、今回も音源とライブは別物になります。先日のTHIS FES([Alexandros]主催のフェス)で披露した『HOWEVER』と、1997年にリリースした『HOWEVER』もまるで違うものじゃない? それと同じで、例えば初日の大阪公演だったら、大阪なりの『なんて野蛮にECSTASY』になるだろうし。ツアーファイナルの横浜公演だったら、その時ならではの『Back Home With Mrs.Snowman』になるはず。ライブはGLAYの4人とサポートスタッフ、その会場に集まってくれたお客さんとで作る、生き物のような存在なので、みんなにもそういう感覚で楽しんでほしいですね。
- TAKUROさんがツアーで着用する衣装はどんな感じでしょうか。
- TAKURO
今年の春、TERUさんにGUCCIの展示会に連れて行っていただきまして。そこで一目惚れしたスーツで廻ります。今までのライブでは、尾田(栄一郎)さんが描いてくださったキービジュアルのような、細身のシルエットの黒い衣装をよく着ていて。そのスタイルもすごくTAKUROらしいとは思うんだけど、ここに来てちょっと気分を変えたくなったみたい。(TAKURO)本人的に。
- そういうモードに入ったキッカケは何かあったんですか?
- TAKURO
明確なキッカケはないけど、長年活動してきた中で、俺が黄色いスーツを着ようが、黒いスーツを着ようが、GLAYの体制にはあまり影響がないんじゃないかなって思ったんだよね。GLAYの本質は、衣装の方向性では揺らがないっていう自信があるから、好きなものを着ようと思った。ライブでギターのフレーズを変えるっていう話もそうだね。『HOWEVER』のバッキングギターをその時々で変えようとも、『HOWEVER』が持つ強さは変わらない。そういう確固たる自信があるから、俺も他のメンバーも、安心して冒険できるんじゃないかな。
- 素朴な疑問なんですけど、高級スーツでライブをするのって、パフォーマンスしづらかったりしないんですか? 伸縮性的に、足を広げて弾きづらいとか(笑)。
- TAKURO
そんなこと言ったら、海パンでライブしろ!って話になるじゃない(笑)。ギターは座って弾くのが一番弾きやすいんだから、どんなライブ衣装でも何かしらマイナス要素はあるよ。ただ、HISASHIもよく「衣装は戦闘服だ」なんて言うけど、その衣装を身に着けるとちょっと自信のない自分の背中を押してくれるから、俺はそれを着てる。裸のTAKUROに価値はないけれど、4人で集まってGLAYの曲を演奏するTAKUROには価値があると、俺は思ってるし。メンバー4人がお互いに尊敬しあって、誠実に向き合っているGLAYこそが、ファンのみんなが好きなGLAYだと思うからね。バンドのために自分の好きなことを我慢することも、自分のことでバンドに我慢させるようなこともしたくないっていう、両者のバランスをとることが大事。衣装にしても、演奏面にしても、そんなことを考えながらツアーに向けて準備してます。
- では最後に、個人的に、“Back To The Pops”ツアーで注目してほしいポイントを教えてください。
- TAKURO
『Back Home With Mrs.Snowman』のTAKUROソロ!(即答)本来はトランペットを演奏するところなんだけど、ツアーでは演奏者がいなくて、代わりに俺が口楽器でソロをやるっていう、アホすぎる試みを予定してるので……そこが一番の見どころです(笑)。
JIRO インタビュー
- アルバム『Back To The Pops』の反響はいかがですか?
- JIRO
アルバムのプロモーション期間、毎回「このGLAYのサウンド、なんか懐かしいなぁ~って感じで聴いてもらえるアルバムだと思う」って答えてたんだけど、まさにそういう感想がたくさん届いてるよ(笑)。でもそれって、すごく良いことだと思うんだよね。30年の間には、例えば『元号』みたいに深く考えさせられる曲とか、いろんな方向性の楽曲に挑戦してきたけど。『Back To The Pops』の場合は素直に「懐かしい」と感じられるぶん、ここからまたGLAYの音楽を聴き始めたっていう人もいるだろうし、もちろん、デビュー当時のGLAYやあの頃の自分に想いを馳せる人もいるだろうしね。みんなの反響を受けて、改めて30周年にピッタリのアルバムができたなと感じてる。いつも新曲を初披露する時は「どういうふうに受け取られるんだろう?」って考えたりして、心がザワザワするんだけど、『Back To The Pops』に関しては、どの曲もイントロの段階で受け入れられるんだろうなっていう安心感と自信がある。
- リリース後は音楽番組に出演する機会が多く、つい先日も、ミュージックステーションでピアニストの清塚信也さん・ドラマーのピエール中野さんと、アルバム収録曲の『さよならはやさしく』などを演奏されたのが話題になりました。音源制作にも参加されたおふたりと番組で共演した感想はいかがでしょうか。
- JIRO
まず、清塚くんは天才すぎるよね。過去にも一緒に演奏したことがあったし、アルバム制作でもご一緒して、自分の個性を出しつつも、俺たちのグルーヴにすぐに飛び込んでこられる人だってわかってたから、TVで新曲を披露する時も安心してできた。ただ、中野くんとの演奏は、同じリズム隊ということで実はちょっと緊張してた。リズム隊の軸がブレると、他の楽器陣とか、歌ってるTERUに心配をかけてしまうから、そうならないように、しっかりリハーサルしたいなって思ってた。でも、心配いらなかったよ。中野くんは超真面目な人なんだけど、永井さんのドラムを完コピしてきてくれて! 永井さんのドラムと1mmも変わらない演奏をしてくれたんだよね。最初に演奏した時、すっごい驚いたもん。「あれ!?」って。
- 「今日のドラム、永井さんだっけ?」って?(笑)
- JIRO
そうそう(笑)。始まる前は不安があったんだけど、いざ演奏が始まってみたら、ネガティブな気持ちが全部吹き飛んで。自分はいつも通り、心を込めて演奏するだけでいいんだなって思えたので、ありがたかったです。
- “Back To The Pops”ツアーのドラムは永井さんですが、今のおふたりの関係性や演奏面については、どんなことを感じていますか?
- JIRO
11月15日に、永井さんの本『TOSHI NAGAI MIND DRUMMER 時代を生き抜くメンタルと思考力』が出るんだよね。その巻末インタビューで、久しぶりに2人だけで1時間くらいインタビューを受けて、永井さんが僕に対して思っていることを聞いたり、僕も「永井さんのこういうところが安心できる」っていう話をさせてもらったの。そこでお互いの気持ちを確認したことで、より深い信頼関係が築けたと思う。だから今、ツアーがめっちゃ楽しみ。
- “Back To The Pops”ツアーのセットリストもJIROさんが決められたそうですね。どんなこだわりを持って選曲されたのか、言える範囲で伺えますか?
- JIRO
言える範囲かぁ……まだ言えないな(笑顔)。
- せめてヒントを!
- JIRO
あははは。30周年を意識したセットリストになってることは間違いない。アルバム曲はほとんどやるし、それ以外の曲も、セットリストを見てもらえたら「この場所でこの曲をやる意味はこういうことだろうな」って理解してもらえると思う。ツアーのテーマみたいなものが自ずと見えてくるはず。あと、この先には30周年を総括するライブも控えてるから、そことの繋がりも考えてたよ。
- なるほど、“Back To The Pops”ツアーは、EXPO YEARの“最後のフィナーレ”に向かってラストスパートをかけるところなんですね。
- JIRO
うん。“The Ghost of GLAY”ツアーから周年が始まり、ベルーナドームでGLAY EXPOをやって、今回のアリーナツアーを廻って集大成に向かっていくっていう流れ。その展開を決めた時から、「最後は全放出したいよね」っていうのが4人の共通認識としてあったから、「じゃあ“Back To The Pops”ツアーはこうしよう!」と逆算してセットリストを考えていきました。
- では最後に、セットリスト以外で、個人的に注目してほしいポイントを教えてください。
- JIRO
ベルーナドームに続いて、衣装は見どころの1つかな。ベルーナドームの時の衣装って、結構派手だったじゃない? あれが個人的にすごく気に入ってたんだよね。既製品が元になっているとはいえ、加工してもらってオリジナリティを出せたし、スタイリストチームへのリスペクトも改めて感じたし、アイコンとしてもすごく良いヴィジュアルだったと思う。だから、ベルーナの後くらいから、衣装やヘアメイクといったヴィジュアル面も今後はもっと追求していきたいなと思うようになって。音楽番組に出演した時も、他のアーティストさんの衣装を見て、秘かに研究してたの。そしたら「この衣装の感じ、すごく良いな!」って思う人達もいたりして。そういったことが今回の衣装には反映されているので、ぜひ注目してほしいですね。
HISASHI インタビュー
- まもなく“Back To The Pops”ツアーが始まりますが、アルバム『Back To The Pops』のリリースから少し経ち、どんな反響が届いていますか?
- HISASHI
SNSでエゴサしてみたんだけど、「〇年GLAYから離れてたけど、久しぶりに聴いてます」っていうコメントが多いね。しかも、SNSで言ってる人がいるってことはさ、わざわざ言わないけど、実は聴いてるって人もたくさんいるってことじゃない? Billboardやオリコンの成績を見ていても、そう感じた。大前提として、長年ずっとGLAYの音楽を聴いてくれている人の存在にはすごく感謝してるよ。でも、そうじゃない人たちにも『Back To The Pops』が評判良いってことは、GLAYが昔と変わらず好きな音楽を貫いている証拠なんだろうなって思った。今回は30周年ということもあって、メディア露出も多かったから、それキッカケで戻ってきてくれた人たちもいたんだろうけどね。「ああ、俺たちはこのまま好きなことを極めていけばいいんだな」って再認識できたのが、個人的には大きな成果だったかな。……と言いつつ、実は90年代に原曲があった曲も多いんだよなぁ(笑)。『Romance Rose』なんて、『彼女の“Modern…”』の頃の曲だもん。そりゃ変わってないわ!って思うよね。そりゃ懐かしいわ!
- あははは。
- HISASHI
とはいえ、『海峡の街にて』の原曲なんかは2018年頃にできたものだけど、すごくGLAYっぽい曲来たな!って思ったし。いろんな時代の俺らがやりたいことを詰め込んだ、GLAYの魅力が存分に詰まった1枚だから、「これがGLAYの1stアルバムです」って言っていいんじゃないかなと思います。
- ゲストミュージシャンが多数参加しているのは、今のGLAYならではの表現だと思うんですが、その点についてはどう感じますか?
- HISASHI
確かに、デビュー当時の俺らだったら、自分達の音楽を他の人に委ねる余裕なんてなかったもんね。全部随分キャパが広くなったなって思う。あとは「俺たちには素敵な音楽友達がたくさんいるんだぜ!いいだろう!?」っていう自慢(笑)。
- 素敵なミュージシャンと繋がるだけでなく、本来ロックとは違う界隈の方さえも巻き込んで、新たなGLAYの音楽を生み出していくところが、GLAYのすごいところだと思います。
- HISASHI
音楽に対して貪欲だから実現できてるんだろうね。清塚(信也)さんとやったり、YOW-ROWくんとやったり、Tomi Yoさんとやったり、いろいろな方とご一緒してるけど、素敵なミュージシャンと出会うと「あの人の才能をGLAYと混ぜたい」「どんな化学反応が起きるのか見てみたい」って思っちゃう。それと、「今のGLAYだったら断られないんじゃないかな?」「相手にもメリットがあるだろうし……」っていう気持ちも正直あって(笑)。オファーしたところ、『Back To The Pops』にも、たくさんのゲストが参加してくれました。
- そんなアルバムを引っ提げて廻る“Back To The Pops”ツアーですが、そこで着用する衣装にもHISASHIさんの広い交友関係が活かされているそうですね。
- HISASHI
そうなんですよ。俺、昔から名古屋のオールアラウンドっていうブランドが好きなんだけど、今回はそこと共同で制作したオリジナル衣装になります。ギターのストラップを一緒に制作してるMODERN PIRATESのナルくんが、“名古屋界隈繋がり”でオールアラウンドと交流があるって話を聞いて。そのチームで一緒に作ることになりました。デザインは、ロック的な要素を入れたくて、JOY DIVISIONのアルバムのマークを取り入れたものにしましたね。これまでも、いろんな友達のブランドとコラボしてきたけど、また新しい流れが見えるんじゃないかなって思います。
- “Back To The Pops”ツアーに関して、衣装以外で注目してほしいポイントも教えてください。
- HISASHI
アリーナならではの演出が見どころかな。あのね、ツアー前、俺らがスタジオで何をしてるかっていうと、2チャンネルのものを作ってるんですよ。最初は2つの素材(情報)しかないんです!って、俺は声を大にして言いたい(笑)。それがライブになると、会場の空気と混ざって4Dになり、さらにスクリーンに映像が映し出されることで、映像と音楽のコラボレーションも生まれるんだよね。5D、6Dの世界になるわけ。そういうことを理解して演出を見ると、ただ圧倒される!とは違った見方ができると思うし、どんどん立体感が増してくる過程を楽しんでもらえると思います。
- では最後に、これからツアーに来場される方にメッセージをお願いします。
- HISASHI
まず、今回も高いチケット代を払って観に来ていただいて、ありがとうございます。僕らもそれに負けないクオリティーのパフォーマンスと表現力で、『Back To The Pops』の世界を広げていきたいと思っています。……でも、コンサートの内容は、その日の楽しみの2割くらいでいいんじゃないかな? 会場に向かう道中で行きたかった場所に寄るとか、久しぶりにGLAYファンの友達に会うとか、ライブ後に感想を言い合いながら飲むとか、そんな感じでいいと思う。ベルーナドームも、同窓会みたいに楽しんだ人が多いだろうしね。“Back To The Pops”ツアーも、みんなの楽しい1日を作るキッカケになったら嬉しいです。
取材・文/斉藤碧