TAKURO

1st SOLO ALBUM「Journey without a map」

GLAYのコンポーザーであり、ギタリストであるTAKUROが 初のソロインストアルバムをリリース!

  • GLAYのリーダーでありギタリスト、メインコンポーザーを務めるTAKUROが、満を持して初のソロプロジェクトを始動! TAKUROソロ1stインストアルバム「Journey without a map」はB'zの松本孝弘氏をプロデューサーに迎え入れ、ロサンゼルス在住のTOPミュージシャンとレコーディングを敢行した意欲作となっている。 録音方法に関してはTAKURO所有の3台のビンテージレスポールを使用した深みのあるギターサウンドに、ジャズ、ブルースを基調とした音作りで、1音1音こだわり抜いて制作された。GLAYとは一線を画す、ギタリストTAKUROとしての魅力が詰まった珠玉の1枚がここに完成した。 今作品は、まさに「Journey without a map」のタイトル通り、TAKUROの「地図無き音の旅」を楽しめる1枚である。 パッケージはCDに加えアナログ盤もリリース。 CD+DVD盤のDVDにはTAKUROがギターを始めてから本作完成までのギタリストとしての軌跡を描いたドキュメンタリーと「Guess Who」のミュージックビデオやメイキングを収録。 また2017年2月からは東京ステラボールを皮切りにファイナルZepp Tokyoまで全国9ヶ所15公演を回るツアーの開催も決定。

<TAKUROのコメント>
ギターに詩を読ませるが如く、ギターで弾くメロディーの中に様々な情景や感情が浮かぶような作品にしたいと思っていました。 シンプルなラインにじっくりギターで表情をつける事を念頭においてレコーディングを進めていました。 GLAYとはずいぶん違う音楽に聴こえますが、これもまた僕自身素直に浮かんだ音楽なのでギターアルバムは続けて作りたいと思っています。 Journey without a mapはギターを弾くのが大好きな男が気ままに小さなバーで毎週末弾いている、、、、 そんな自分を想像しながら作ったアルバムです。 一息つきたい時にお酒でも飲みながら聴いていただけると嬉しいです。

<B’z 松本孝弘 氏からのコメント> 長年に渡る友情をこの様に音楽として共に形に出来た事をとても嬉しく思います。 GLAY のイメージとは違う彼本来の穏やかな人柄から生まれたメロディ、ギタリストとして今尚進化しようと努める彼の姿勢がこの作品には網羅されています。 音楽を愛し、ギターを愛する者同士が、互いにリスペクトし合い創り上げたこの作品から、きっと感じて頂ける何かがあると信じています。

DISC INFO

  • 【タイトル】Journey without a map 【発売日】2016年12月14日(水) 【商品形態】■CD+DVD盤¥3,500+税PCCN-00025 ■CD only盤¥2,500+税PCCN-00026 ■アナログ盤(初回生産限定)重量盤2枚組¥4,000+税PCJN-00001
    押し曲「Guess Who」がレコチョクタイアップソングとして2016年12月~2017年1月にTVCMのオンエアが決定した。

【収録楽曲】

  • M1. Lullaby
  • M2. 流転
  • M3. Guess Who
  • M4. Autumn Rain
  • M5. RIOT
    「パーソン・オブ・インタレスト 犯罪捜査ユニット サード・シーズン」
    エンディングテーマ
  • M6. Istanbul Night
  • M7. Francis Elena
  • M8. Fear & Favors
  • M9. Northern Life
  • M10. Journey without a map
  • M11. 函館日和
  • 【DVD収録内容】

  • ・[Guess Who] MUSIC VIDEO
  • ・[Guess Who] MUSIC VIDEO Making
  • ・[Journey without a map] Documentary Film
  • ・[Journey without a map] Documentary Film Another Talk

MOVIE

  • 「Guess who」Music Video (short ver.)

  • 「Journey without a map」SPOT

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    【CD only】

    【CD+DVD】

    【アナログ盤】

配信サイトはこちら

    ハイレゾ

    定額制音楽配信

GUEST ARTIST

  • M1.「Lullaby」Dr:Toshi NagaiBass:小泉 P 克人Piano:Jeff BabkoSax:Greg Vail
  • M2.「流転」Dr:Jason SutterBass:Travis CarltonPiano:Jeff Babko
  • M3.「Guess Who」Dr:John FerraroW.Bass:Trey HenryPiano:川村 ケンSax:Greg Vail
  • M4.「Autumn Rain」Dr:Toshi NagaiBass:川村 竜Piano:川村 ケンSax:Greg Vail
  • M5.「RIOT」Dr:Jason SutterBass:Travis CarltonPiano:Jeff BabkoSax:Greg Vail
  • M6.「Istanbul Night」Dr:Toshi NagaiBass:川村 竜Piano:Jeff Babko
  • M7.「Francis Elena」Dr:John FerraroW.Bass:Trey HenryPiano:Jeff Babko
  • M8.「Fear & Favors」Dr:John FerraroW.Bass:Trey HenryPiano:川村 ケンSax:Greg Vail
  • M9.「Northern Life」Dr:John FerraroW.Bass:Trey HenryPiano:川村 ケン
  • M10.「Journey without a map」Dr:Jason SutterBass:Travis Carlton Piano:Jeff BabkoSax:Greg Vail
  • M11.「函館日和」Dr:Toshi NagaiBass:川村 竜Piano:川村 ケンSax & Flute:竹上 良成

SPECIAL

共創・体験型プラットフォーム「WIZY(ウィジー)」にて、
【TAKUROオリジナルグラス制作プロジェクト】をスタート!

  • このWIZYとの制作プロジェクトは、TAKUROの「一息つきたい時にお酒でも飲みながら聴いて欲しい。」という想いからスタート。
    ビールグラスとロックグラス各1個の『Journey without a map』 オリジナルグラスセットが完成。

  • また、佐伯明氏(音楽文化ライター)による、アルバム『Journey without a map』を10倍楽しめる解説カード、各楽曲の紹介と曲にあうお酒のメニュー(解説カード)が封入されている。

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    <TAKUROからのコメント>
    初のソロアルバム『Journey without a map』を制作するにあたり、芳醇な香り深く、まろやかな味わいのある音を目指したいと思っていました。
    今回WIZYさんとコラボすることで、より皆さんへお酒のお供として“Journey without a map”を感じていただければと思います。
    このグラスを傾けながらゆったりとした大人な時間を過ごしていただければ嬉しいです。

    TAKURO
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    <商品詳細>
    ■商品名:『Journey without a map』オリジナルグラスセット
    ■価格 :¥4,480 (税込/送料込)
    ■内容 :
    ・シリアルナンバー入りオリジナルグラス (ビールグラス、ロックグラス)
    ・アルバム『Journey without a map』を10倍楽しめる解説カード付き

    ■予約受付期間: 2017年2月2日(木)~3月8日(水)23:59

    ※解説カードはデザイン決定後、WIZYサイト内でお知らせいたします。
    ※WIZY限定販売となります。
    ※その他詳細は、WIZY「TAKURO」プロジェクトサイトをご覧ください。(https://wizy.jp/project/14/

ご予約はこちらから


MEDIA

  • WEB
    ■「The Japan News」
    http://the-japan-news.com/news/article/0003424224

    ■「BARKS」
    https://www.barks.jp/news/?id=1000135554

    ■「Oricon」
    http://www.oricon.co.jp/special/49640/
    ■「産経ニュース」 http://www.sankei.com/entertainments/news/161216/ent1612160008-n1.html

  • 新聞 ■12月10日(土)発売
    「サンケイスポーツ」
    インタビュー掲載

    ■12月15日(木)発売
    「読売新聞 夕刊
    インタビュー掲載

    ■12月16日(金)発売
    「産経新聞 朝刊」
    インタビュー掲載

    ■2017年1月5日(木)発売
    「The Japan News」

  • MAGAZINE ■11月26日(土)発売
    「GiGS 2017年1月号」

    ■12月10日(土)発売
    「ヤング・ギター 2017年1月号」

    ■12月10日(土)発売
    「ローリングストーン日本版 2017年Winter」
    ロングインタヴュー掲載
    http://rollingstonejapan.com/

    12月13日(火)発売
    「ギター・マガジン」 2017年1月号

    ■12月29日(木)発売
    「Player 2017年2月号」

    ■2017年1月7日(土)発売
    「サウンドデザイナー 2017年2月号」

    ■2017年1月13日(金)発売
    「ギター・マガジン 2017年2月号」

  • RADIO ■2017年1月1日(日)
    7:00~12:00 FM802 「SUPERFINE SUNDAY」

    ■1月11日(水)16:00~18:55
    @FM「You gott @ POWER」
    ※TAKURO生出演

    ■1月12日(木)16:00~18:45
    KBCラジオ「TOGGY’s AHEAD!」
    ※TAKURO生出演

    ■1月19日(木)14:00-17:00
    ZIP-FM 「SMILE HEART BEAT」

    ■1月20日(金) 23:00~24:00
    Crossfm 「RADIO CONNECTOR」

    ■1月22日(日) 12:00~16:00
    Crossfm 「Presen Marche」

    ■1月23日(月) 16:30~20:25
    FM FUKUOKA 「Hyper Night Program GOW!!」

    ■1月27日(金) 23:00~24:00
    Crossfm 「RADIO CONNECTOR」

    ■2月3日(金) 23:00~24:00
    Crossfm 「RADIO CONNECTOR」

    ■2月4日(土) 25:30~25:55
    FM FUKUOKA 「福岡×」

    ■2月5日(日) 21:00~21:55
    FM FUKUOKA 「カムカムFM FUKUOKA」

    ■2月6日(月) 20:25~20:50
    FM FUKUOKA 「Moving Monthly Style 愛でるミュージック」

  • TV ■1月8日(日)6時25分~6時54分(初回放送)
    ■1月13日(金)26時55分~27時24分(再放送)
    UHBテレビ「Doサンデー北の開拓者たち 2017ニューイヤースペシャル」
    放送内容は変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

    ■1月13日(金)6:00~8:00
    HTBテレビ「イチオシ!モーニング」
    放送内容は変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

    ■1月28日(土) 7:00~8:00
    NHK福岡放送 「おはサタ!」
    TAKUROインタビュー出演

    ■1月28日(土) 25:53~26:22
    HBCテレビ「音ドキッ!」
    TAKUROコメント出演

    ■1月31日(火)24:55~25:25
    名古屋テレビ 「BOMBER-E」

    ■2月4日(土)10:05~10:25 ※放送時間が変更になりました。
    NHK名古屋 「Uta-Tube」
    TAKUROインタビュー出演

    ■2月10日(金)24:20~24:50
    KBCテレビ 「V3」
    ※放送時間・内容に変更が生じる場合があります。

特番

TAKURO 1st SOLO ALBUM発売記念特番

  • B'z松本孝弘氏プロデュースにより制作された今作「Journey without a map」。 TAKUROが何故今作の制作を決心したのか、そして如何にしてレコーディングされていったのかを語っている。 さらにTAKUROがリスペクトしてやまないギタリストSUGIZO氏(LUNA SEA/X JAPAN)を始め、 今年の2月、3月に行った自身初のソロツアー“Journey without a map 2016”で共演した谷中敦氏(東京スカパラダイスオーケストラ)、 GLAYのツインギターの双璧をなすHISASHI、そして永井利光氏、川村ケン氏などの豪華ゲスト達から見たギタリストTAKUROについて語るシーンも収められている。 更にはプロデューサーB'z松本孝弘氏との貴重な対談シーン、そして共にレコーディングをしたシーンなどギターに真摯に向き合う2人の姿は必見。
  • 「Journey without a map」

    12月14日(水)27:20~27:50 フジテレビ






    【TAKURO 1st ALBUM「Journey without a map」発売記念番組
    Guitarを奏でる・・・GLAYである為に】

    ▽ 放送予定一覧 ▽

    12月17日(土)/26:30~26:55 /大阪/テレビ大阪

    12月19日(月)/25:20~25:50 /北海道/HTBテレビ

    12月19日(月)/26:50~27:20/福岡/KBCテレビ

    12月21日(水)/25:59~26:29 /名古屋/メーテレ

    12月23日(金・祝)/26:40~27:10 /宮城/TBC東北放送

    12月28日(水)/24:00~24:30/兵庫/サンテレビ

    12月28日(水)/25:40~26:10/青森/青森放送

    12月29日(木)/24:00~24:30/東京/TOKYO MX

    12月31日(土)/27:00~27:30/鹿児島/KTS鹿児島テレビ

    1月3日(火)/24:50~25:20/熊本/KKT熊本県民テレビ

    1月4日(水)/27:00~27:30/鳥取、島根/日本海テレビ

    1月5日(木)/23:30~24:00/埼玉/テレビ埼玉

    1月8日(日)/25:50~26:20/石川/石川テレビ

    1月8日(日)/25:55~26:20/福島/福島中央テレビ

    1月9日(月)/25:24~25:54/宮崎/UMKテレビ宮崎

    1月9日(月)/25:40?26:10/沖縄/沖縄放送テレビ

    1月10日(火)/26:15~26:45/広島/RCC中国放送

    1月12日(木)/26:30~27:00/大分/OAB大分朝日放送

    1月13日(金)/26:05~26:30/岩手/IBC岩手放送

    1月13日(金)/27:00~27:30/富山/富山テレビ放送

    1月14日(土)/25:10~25:40/長崎/NIB長崎国際テレビ

    1月15日(日)/25:45~26:15/山口/tysテレビ山口

    1月21日(土)/26:35~27:05/岡山・香川/テレビせとう

    1月22日(日)/ 25:35~26:05/静岡/静岡放送

    1月22日(日)/ 26:10~26:40 長野/NBS長野放送

    1月27日(金)/ 26:25~26:55 / 福井 / 福井テレビ

    2月3日(金)/ 26:20~26:50/山形/山形テレビ
    and more…

    ※オンエア局は随時追加予定の為、情報をお見逃しなく。

    TAKURO「Journey without a map」発売記念特番「Guitarを奏でる・・・GLAYである為に」告知映像



    TAKURO 「Journey without a map」Special Program
    WOWOWライブにて5月21日(日)21:30~放送が決定!

  • TOUR

    初のソロアルバムを引っさげ全国9ヶ所、15公演を回る全国ツアー

    2017年2月2日(木)、3日(金)東京 ステラボール
    2017年2月6日(月)愛知 Zepp Nagoya
    2017年2月7日(火)大阪 Zepp Namba
    2017年2月9日(木)、10日(金)広島 BLUE LIVE HIROSHIMA
    2017年2月13日(月)、14日(火)福岡 イムズホール
    2017年2月18日(土)、19日(日)北海道(函館) 金森ホール
    2017年2月21日(火)北海道 Zepp Sapporo
    2017年2月23日(木)、24日(金)宮城 チームスマイル・仙台PIT
    2017年2月27日(月)、28日(火)東京 Zepp Tokyo

    ※詳細はオフィシャルホームページをご確認ください。>>TAKURO SOLO TOUR ※会場でのグッズ販売の詳細はこちら ※会場でのCD・Blu-ray・DVD販売の詳細はコチラ

    PROFILE

    1971年5月26日生まれ。ギタリスト。 GLAYのリーダー。 『HOWEVER』『誘惑』『Winter, again』などの大ヒット曲をはじめ、バンド内のほとんどの楽曲の作詞・作曲を行うメインコンポーザー。 GLAYは1994年にメジャーデビュー。 2016年のGLAYは1月にリリースした53枚目のシングル「G4・Ⅳ」がオリコン・ウィークリーチャート1位を獲得し、TOP10入りは’96年「グロリアス」以来、21年連続。 V6、安室奈美恵と並び歴代1位。 1月~4月に武道館3Daysを含めた全国19ヶ所30公演のホールツアーも無事終了。 8月にはTVアニメ「クロムクロ」の2クール分の主題歌を収録したシングル[DEATHTOPIA]をリリース! また7月30,31日にはファンクラブ限定ライブを幕張メッセにて開催、2日間で5万6000人を動員し大成功に終わった。



    TAKUROロングインタビュー

    ――まずは、ソロ・アルバムを作ろうと思った時期や、きっかけなどを話して頂けますか。

    TAKURO:ソロ・アルバムを作りたいという気持ちがはっきりとしたものになったのは、1年前の夏だったかな。SUGIZOさんと俺の共通の友人でオーディオ・マニアの人がいて、その人の家に行ったときに、みんなで夕ご飯を食べて、ワイワイやって、地下のオーディオルームに行って。そこには冷蔵庫みたいにデカいスピーカーが設置してあって、レッド・ツェッペリンのリマスター盤とかジャズのアルバムとかを、目の前でセッションしているような良い音で聴かせてくれたんだよね。それに、’90年代のGLAYの曲とか、LUNA SEAの曲とか、どの辺りの音域が、どう厚いかみたいなことを話したりして盛り上がっていたわけ。最後に、デヴィッド・ギルモアがアルバート・ホールでやったライブを収録した『Remember That Night』というDVDを見ようということになって。もちろん俺はピンク・フロイドやギルモアは聴いていたけど、佇まいとかはあまり見たことがなくて。ほぼ初めてという状態で見たら、とにかく素晴らしくて、もう1曲目から最後の曲まで見入ってしまった。派手なフレーズを弾いたりするわけじゃないけど、とにかく1音1音が素晴らしくて。その時の俺は酔っていたし、音は良いし、プレイは良いしで、自分はこういうギタリストになりたいと強く思った。こういう音を聴かせるギター・アルバムを作りたいとも思ったし。それからしばらくして松本(孝弘)さんと会った時に、「俺は将来的には、ああいうカッコいいオヤジになるんだ」という話をしたら、「今やれ!」と言われて(笑)。そこで、本格的にやろうという気持ちになった。

    ――先輩が良い形で背中を押してくれましたね。

    TAKURO:本当に、そう。SUGIZOさんとギルモアのライブを見たことと、松本さんと話したことで決心がついたから、奇しくも自分が敬愛するギタリスト2人が、ソロ・アルバムを作るきっかけになったんだよね。ギルモアのライブを見ていなかったら、とりあえず「Journey without a map」という曲は生まれていないかな。あの曲は、あのロングトーンを聴かせるためだけに書いたようなところがあるから(笑)。

    ――デヴィッド・ギルモアに、本当に強い刺激を受けたことが分かります。ということは、ソロ・アルバムに向けた曲作りは、それから始めたのでしょうか?

    TAKURO:そう。それから1ヶ月半でほぼ全曲書いて、すぐにデモを作って…という感じだった。

    ――早いですね! 今回の『Journey without a map』はギター・インストゥルメンタルですが、曲の作り方はGLAYなどの時と同じでしたか?
    TAKURO:それは、松本さんに、ずっと聞いていた。インストって、どうやって書くんですかって。だけど、松本さんの答えはいつも同じで、B’zと変わらないと言うんだよね。言っている意味が分かりません…みたいな(笑)。俺はGLAYの時と同じ感覚では作れなくて、最初の10日くらいは、どうしたら良いんだろうと思っていた。松本さんがアニメの『ブラックジャック』のために書いた「THE THEME OF B.J.」という曲が大好きなんだけど、あの曲は実にギター的で、かつオーケストラにしても合う。ギターで弾くと、すごくせつない気持ちになるし。だから、そういうことをイメージすると良いのかなと思ったりしたね。いろんなことを考えながら、いろんなことを試していたら「函館日和」のテーマが出てきて、その時に、こういうことかもしれないと思って。あの曲は故郷を思って、その情景に対して音を付けるとしたらどういうものだろうと思いながらギターを弾いていたら出てきて、それで、この感触を逃がさないようにしようと思って、そこから1ヶ月半くらいで一気に書いた。

    ――アプローチの仕方が分かれば迷わず書けるというのは、さすがです。

    TAKURO:「函館日和」が出来てからは、どんどんメロディーやアイディアが出てきて、曲を作るのは本当に楽しかった。それに、たとえば「Fear & Favors」のメインテーマとかがそうだけど、これを形にすることを作曲と呼ぶのかどうか…みたいなところがあって。あのフレーズは、ギターの定石というか、ギターの教則本に出ていてもおかしくないような、オーソドックスなフレーズだと思う。でも、俺にはバックボーンとしてブルースがあるから。ブルースを譜面にしたら、ほぼ全部同じになるよね(笑)。でも、ブルースというのは歌ったり、演奏している人の心の傷や憂鬱を体現しているものだから。譜面には表せないところにそれぞれの個性が出ていて、それが大きな魅力なんだよね。それを理解していたから、“もっと個性的なメロディーじゃないとダメなんじゃないか?”みたいな迷いはなかったな。それが曲を作るうえで大きかったというのはあるね。

    ――印象的なメロディーを、エモーショナルに弾いていることは『Journey without a map』の大きな魅力になっています。ということは、曲作りを始めた段階で、ジャズやブルースのテイストを活かしたものを中心にしようということも考えていたんですね?

    TAKURO:俺は10年ほど前からジャズやブルースに強く惹かれるようになって、ここ5年くらいは永井(利光:dr)さんとジャズ・セッションをやっているんだよね。そこで、一流のセッションマン達と演奏することができて、この人達と旅に出たいなと思った。それで、今年の2月にGLAYでツアーをやることが決まった時に、GLAYのライブをした次の日に、その土地土地のジャズクラブをブッキングしてもらって、GLAYのツアーと同時にセッション・ツアーを組んだわけ。そこで、1ヶ月半の間に作った曲やツアー中にできた曲、リハーサルでできた曲とかをバンバン試して。それこそ、その日の昼に作った曲を、夜のライブで演奏したりもしたよ。『Journey without a map』に入っている「Lullaby」という曲は、クラブeXでライブをした時に、アンコールに出るのを待っている間にメロディーが浮かんで。それで、「みんな、ちょっと待って。今メロディーが浮かんだから、5分ちょうだい」といって、その場で各パートのメロディーを伝えたら、川村ケン(piano)さんがコードを付けてくれて。それが、今回のアルバムの1曲目になったんだよね。

    ――スタンスが完全にジャズですね。

    TAKURO:そう。そういう人達と楽曲を形にしていったから、自ずとジャズやブルースの匂いがするものにはなるよね。そのうえで、実際に演奏したり、アレンジを詰めていったりする中で、自分はここが好きだとか、これだとジャジー過ぎる、ブルージー過ぎるというような判断をしていった。ソロデビューでドキドキしていて、とにかく入念に準備したいというのがあったから、結局デモを録るためにGLAYのアルバムが1枚できちゃうくらいの回数スタジオに入ったよ(笑)。

    ――これはジャジー過ぎる、ブルージー過ぎるといった判断が奏功して、ジャズやブルースのテイストを活かした独自の音楽に仕上がっています。好きな音楽の香りを活かしつつ自分だけの音楽を作るのは難しいことですよね。

    TAKURO:ソロに関しては、GLAYほどプレッシャーがあるわけじゃないしね。GLAYは沢山の人達の人生を背負いながら、抱えながら歩き続けているようなところがあるから、その責任たるや本当に大きくて。それこそ、音楽としてGLAYでなければならない。どんなジャンルに手を出したとしてもGLAYでなければならないという一線を守りたいと思っているけど、自分が自分に素直になった時にはジャジーだとか、ブルージーだとか、音が合っているとか、外れたとかは大きな問題ではなくて。今回の『Journey without a map』は、俺の残りの人生がどれくらいになるのか分からないけど、その人生を豊かにするにはこの音が必要なんだという、ある種の宣言だよね。

    ――『Journey without a map』は良い意味で聴きやすいインストですので、ジャズやブルースといった謳い文句を見て、自分はそういう音楽は分からないと思った人にもぜひ聴いて欲しいです。

    TAKURO:聴いて欲しいね。純粋にそう思う。もし、このアルバムを楽しめないなと思ったとしても、ライブには来て欲しい。喋りを面白くするから(笑)。

    ――えっ、そっち?(笑)

    TAKURO:うん。JIROちゃんのずっこけカワイイエピソードとか、直ぐぶっ込むから(笑)。ライブというのは、トータルのエンタテインメントだから。俺なりのやり方で楽しませます(笑)。

    ――そうですけど、ライブを観ると楽曲の良さがより強く伝わるでしょうし、楽しんでギターを弾くTAKUROさんを見ると、皆さん幸せな気持ちになると思います。

    TAKURO:そうだと良いんだけど。でも、そうだね。幸せな気持ちになってもらえるようにがんばります(笑)。

    ――ライブも楽しみです。話を『Journey without a map』の制作に戻しますが、松本さんにはアルバム作りの最初の段階から関わってもらったのでしょうか?

    TAKURO:うん。「やりなよと言うということは、手伝うという意味ですよ、久保家では」と松本さんに言ったら、「はぁ?」みたいな顔になったけど、「いや、マジマジ」といって(笑)。「じゃあ、手伝うよ」と言ってくれたので、「松本さん、ブレインでお願いします」ってお願いしてね(笑)。だから、今回バーミリオンさんには、ものすごくお世話になりました。うちから出した人間は、1人くらいだったから(笑)。参加ミュージシャンとかレコーディング・スタジオ、エンジニアといった面でも松本さんの人脈もフル活用させてもらったし。「みんな、俺が見つけてきた人なのに」と言いながら、松本さんはいろんな人を紹介してくれて。彼の人としての器の大きさを実感したね。でも、一緒にやるとなったら、松本さんはすごく厳しかったよ。それじゃあといってデモテープを持っていくと、もう普段の和やかムードはゼロで。スイッチ入ると、ものすごくオーラを出すなと毎回思ってた。こっちは、もう正座の勢いですよ(笑)。松本さんはめっちゃ険しい顔で俺のデモテープを聴きながら1音ずつ追っていって、ここは音がぶつかっているかもしれないから要チェックとか、これだと尺が長過ぎるとか言って。でも、「俺はそう思うけど、最後に決めるのはお前だ」と言うんだよね。良い突き放し方するなぁ…という(笑)。

    ――でも、それだけ真剣に取り組んでくれた証といえますね。

    TAKURO:そう。あの姿勢は、本当に素晴らしかった。今まで、バンドとしていろんな人にご指導、ご鞭撻を頂いたけど、今回は松本さんにギタリストとして本当に良い方向に導いてもらった。松本さんの中では、デモを聴いた段階で俺が作るメロディーや俺の力量とかを踏まえて、それぞれの曲が完成した時の風景が見えたみたいなんだよね。それで、できる限りそれと同じ風景が描けるようにしてくれた。ただね、最初に松本さんに言ったんだよね。俺はこの手のことに関しては本当にもう1年生も1年生で、申し訳ないけど、今の俺は’94年のデビューの時みたいな気持ちですと。俺が今できることは死に物狂いでやるので、本当の意味でのプロデュース……当時の佐久間さんがGLAYにしてくれたみたいなことをして欲しいんですと。そうしたら、松本さんは言ってることはよく分かるから、そうしようと言ってくれて。それで、この手のピアノに関してはすごく上手なヤツがいるからみたいな感じで、ロスのミュージシャン達も含めて、プレイヤーのコーディネイトもしてくれた。ただ、デモの段階でケンさんや永井さんが手掛けたアレンジは絶賛していて、結局永井さんのドラムに関しては、ほぼデモのテイクを使ってて。松本さんが、このドラムがおまえのメロディーを一番理解しているから、これで良いと言ったものは全部残した。

    ――永井さん、さすがですね。

    TAKURO:本当に。ついでにその時に「ギターは?」って聞いたら、全部録り直しと言われたよ(笑)。

    ――な、なるほど(笑)。『Journey without a map』はジャジーなナンバーをメインとしつつ、いろいろな曲が入っていることも特徴になっています。

    TAKURO:今回の楽曲の中でも「流転」と「Francis Elena」は元々人のために書いた曲で、作った時期が古いんだよね。女子十二楽坊が日本に来た時だから、2002年頃だと思うけど、ソニーからそういう話が来て。俺は昔からインストを聴くのが好きだったし、女子十二楽坊の面白さも知っていたので、是非やらせてくださいといって「流転」を書いて。それと前後して、ロンドンのヴァネッサ・メイというバイオリニストに何か1曲という話もあって「Francis Elena」を書いた。

    ――それで、その2曲は特にカラーが違っているんですね。ロック感のある「流転」は、アルバムの良いフックになっています。

    TAKURO:レコーディング前から、「流転」は一番キャッチーだから、これは大事にやっていこうという話をしていて。「Northern Life」も最初は「流転」のようなアレンジだったんだけれども、松本さんから綺麗にボツを頂きまして(笑)。ションボリして、ロスから2月の寒い東京に帰るという(笑)。でも、私はどうしても「Northern Life」という曲が好きでまたアレンジして、こっそりまたデモに紛れ込ませ(笑)。そうしたら今度は審査を通りまして、めでたくレコーディングできました(笑)。

    ――作戦勝ちですね(笑)。それに、「流転」と「Northern Life」はテイストが全く違っていますから、松本さんが気づかなかったことも分かります。かなり大幅に、リ・アレンジされたんですね。

    TAKURO:したね。16ビートだったのを、3拍子に変えたりしたから。「Northern Life」は気に入っている曲なのに、なかなか自分の頭の中のイメージが形にならなくて、ちょっと苦労したかな。そういう意味では、印象深い1曲だね。

    ――途中で諦めなかったのは、さすがです。翳りを帯びた世界観と歌心に溢れたギター・プレイをフィーチュアした「Guess Who」や、饒舌なリズム・セクションとテイスティーなギターのマッチングを活かした「Istanbul Night」なども注目です。

    TAKURO:「Guess Who」は元々“モンク”という仮タイトルにしていた曲で、俺はセロニアス・モンクというジャズ・ピアニストが大好きで。すごい奇人変人なんだけど、変人でいながらピアノの天才であり、インテリという人だという。その人が作ったいくつかの曲に影響されて作ったのが「Guess Who」で、この曲ができた時は“やった!”と思った。『Journey without a map』にはGLAYのTAKUROからイメージする曲が沢山入っているけれども、俺が今回一番やりたかった方向はこれだなと思って。自分を今一番励ましてくれる、背中を押してくれるのは多分この曲だなと。だから、演奏にも相当気合を入れた。ただ、この曲のギター・ソロのあちこちのセンスが良いアレンジは松本さん。ここのバックのコードはメチャクチャおいしいから、ペンタトニックじゃなくて、もっと良いフレージングを明日までに考えてこいと言われて、“マジか?”みたいな(笑)。それで、考えていったけど、2人で違うよなということになって。松本さんにちょっと模範演奏を、とお願いしたらすごく良いフレーズを弾いて。それを俺がコピーして、また次の日に弾いたという(笑)。

    ――最初から弾いてみせずに、自分で考えなさいという辺りは松本さんらしい気がします。

    TAKURO:最初はね。でも、だんだん進むにつれ自ら素晴らしいフレーズをバンバン出してきてくるようになって。「たとえば、こういうのどうかな?」といって弾いて、俺が一言「それしかねぇ!」みたいな(笑)。結構アイディアを頂戴しました。

    ――とはいえ、ギタリストとしてのスキルがなければ、松本さんが示したフレーズは弾けませんよね。「Istanbul Night」についても話して頂けますか。

    TAKURO:俺、この曲好きなんだよね。これが形になった時は、凄いものができたなと思ったよ。

    ――分かります。この曲こそ、ジャズの香りを活かした独創的かつスタイリッシュな曲ですよね。

    TAKURO:そう言ってもらえると嬉しいな。この曲は、セッション中のちょっとしたハプニングから生まれたというか。アルバムに向けて曲が出揃った時に、永井さんから、もうちょっとアップテンポのものがいくつか欲しいなという声が出て。それで、「分かりました、10分ください」と言って、10分で作った。

    ――えっ、たったの10分ですか?

    TAKURO:うん。本メロと、テーマメロと、その後の転調したメロを作って、そこから広げていった。つまり、今回の曲作りに関しては、テーマがあればOKだったんだよね。テーマさえあれば、あとはテーマの裏のコード進行に沿って、みんなが好きなことをやれば良いわけだから。「Istanbul Night」は、そうやってメロディーができて、ライブで盛り上がる曲にしたいから土着的なリズムでいこうとか、イスタンブールっぽい感じにしようといったりして作っていった。「Istanbul Night」はセッションで作った実質的な1曲目で、その後の自分の成長ぶりからするとギターのアプローチ面ではちょっとぎこちなさを感じる部分もあるね。今後のライブでは、もっと艶っぽいことをやろうかなと思ってる。そういった後悔もあったりするけど、「Istanbul Night」は本当に気に入ってる

    ――アルバムのタイトル曲であり、唯一TAKUROさんの歌声が入っている「Journey without a map」も聴き逃せない1曲です。

    TAKURO:これは冒頭に言ったように、ギルモアのライブDVDを観て、刺激を受けて作った曲。ギルモアが一生かけて作り上げたようなトーンで弾ける曲が欲しいなと思って作ったし、イントロのギターとかはそれを目指して弾いたよ。松本さんに、自分はギルモアみたいなギタリストになりたいんだということを話したら、「お前の目指すところは間違ってないと思う。だけど、相当高い目標だけどね、それは」って言われた(笑)。でも、今では松本さんの言葉の意味が、1年前よりもよく分かる。昨日も『Remember That Night』を観たけど、やっぱりギルモアは素晴らしいから。

    ――「Journey without a map」のエモーショナルなロングトーンも聴き応えありますよ。この曲は、ストーリー性を感じさせる場面転換もポイントです。

    TAKURO:ソロ・アルバムの一作目を作るにあたって、そのテーマになるものは自分の人生を凝縮したようなものにしたいなという想いがあって。悲しいんだか、嬉しいんだか分からないけど、泣きながらこの世に生まれてきて。生きてくる中で沢山の出会いと別れを繰り返して、良いことも悪いこともいろいろ見てきて。そして、何者かに生かされて、今もこうして元気にやっている。そういう人生を表現するということで、この曲を作り始めた時はいろんなことを考えた。“Journey without a map=地図のない旅”というのは人生そのもので、誰もが悲劇が降りかかるとも限らない生を生きている。特に、“3.11(東日本大震災)”の時にすごく思ったことけど、朝いつものような日常で、「いってきます」「いってらっしゃい」と言ったのに、2時46分になったら地震があって、その後さらに大きな悲劇が起こった。そういう状況を目の当たりにして、あの日の朝の平穏な日常というのは何だったんだろうと思った。それはもう人知の及ばないどうしようもないことで、育ちがどうとか、生き方がどうとか、金があるとかないとか、そんなことに一切関係なく、誰しもに降りかかるものだよね。そういうところで、「Journey without a map」は、ある意味の諦めや、“夢は努力すれば叶う!”みたいなものではない、もっと大きなものを感じながら作った。だから、すごくこだわって作ったし、ギター録りの時ももう腱鞘炎になるくらい何度も弾いた。本当に大切な曲だからね。俺の中には、それこそ70歳、80歳になってもギターを弾いていたいという想いがあって、これからさらに年齢を重ねて、ギタリストとして熟練していって、この曲で素晴らしいチョーキングをかませられるようになりたいと思っている。そういう指針になる曲だよね。

    ――「Journey without a map」はもちろん、今作の全編に亘って披露されている歌心に溢れたギター・プレイは本当に魅力的です。それに、10年後、20年後のTAKUROさんも楽しみです。

    TAKURO:今言ったように人生というのは何が起こるか分からないから、実現できるかどうか分からないけど。でも、もし「10年後の自分は、どうなっていると思いますか?」という質問をされたら、「どこかで「Journey without a map」を弾いていると思う。今よりもマシなトーンで」と答えるよ。

    ――そういう想いを込めて弾くことで、「Journey without a map」はどんどん深みを増していくでしょうね。それに、そういう話を聞くと、ソロ活動を今回限りのものにせず、継続して欲しいなと強く思います。

    TAKURO:そういう気持ちは、もちろんあるよ。だから、今はスタッフに松本さんのスケジュールをチェックしてるよ(笑)。「B’zの次の周年は、いつでしたっけ?」みたいな(笑)。

    ――あ、あのぉ……。ということは、常にソロは松本さんとタッグを組むと?

    TAKURO:うん(笑)。いや、松本さんと一緒に音楽を創るのはすごく楽しいんです。ギターの勉強になるというのもあるけど、ロスでセッションして、その後飲みにいって、音楽談議に花を咲かせて…というのが楽しくて仕方ない。気が合うというには大先輩過ぎるけど、出会ってから20年近く良い付き合いをさせてもらっていて。「母さん、僕は東京で、とても良い友達ができました。とても親切で、優しい兄貴です」みたいなね(笑)。俺にとって松本さんはそういう存在だから、一緒にいろんな時代や、いろんな風景、いろんな音を分け合いたいなと思っているんだよね。

    ――人柄の部分で一緒に仕事をしたいというのは、TAKUROさんらしいですね。さて、人生初のソロ・アルバムを完成させて、今はどんなことを感じていますか?

    TAKURO:来年2月のツアーのことを考えると、ちょっと心臓が“キュウーッ”となる(笑)。それはさておき、どうだろう? ……曲というのは本当に面白いもので、作ることよりも、なんとかすることのほうが実は大切な気がする。いろんなアーティストが自分の曲のことを“子”って言うじゃない? 幼い子供というのは、誰かの保護がないと死んでしまうくらい弱いものだよね。曲も同じで、生物として本当に弱い。だからこそ、まだ目も見えない、ヨチヨチ歩きの曲達に生みの親として自分で一生懸命なんとかしてやろうと思ってる。それは、ラジオで掛かるということも一つの体験かもしれないし、ライブで演奏されることも体験かもしれない。とにかく自分が考えうる限りの愛情でもって世話をして、育てていって、何も知らない状態で世の中に出すわけにはいかないから教育を与えて……という風にしてやりたい。甘やかすだけじゃダメだろうし。弱い生き物だからといって、ずっと外に出さないわけにはいかない。ずっとデモテープの状態で寝かせたままでは意味がないよね。そうじゃなくて、誰かの人生に食らいついて、誰かの人生に飛び込んでいって欲しい。娘でいえば、嫁いでいった男がヒドい旦那かもしれないし、嫁いだ先に厳しい姑がいたりするかもしれないけど、それも人生として乗り越えないといけない。その“堪える感じ”というのは、今回の『Journey without a map』のリリースにあたって、すごくあると思う。もしかしたら、俺はGLAYのことだけを考えて、GLAYに心血を注いでいるほうが良かったかもしれないよね。GLAYという、あの素晴らしい環境の中で。だけど、それはもしかするとGLAYの緩やかな自殺を意味するかもしれない。緩やかな下降線を描いていくことを認めることになるかもしれない。俺はGLAYにはもっともっと可能性を感じているから、そうはしたくないという想いがあって。俺が外に出て、GLAYのために何かを持ち帰るというのは、バンドが良い状態で長く続くことに繋がると思う。外に出ることで、俺は車に轢かれるかもしないし、大きなケガをするかもしれない。それでも外に出て、何か良いものを持って帰りたい。

    ――ソロ活動をするといっても、心はGLAYのそばにあるんですね。

    TAKURO:そう。俺はどこまで行っても、GLAYから心が離れることはないと思う。さっき80歳になっても、どこかでギターを弾いていたいと言ったけど、それはGLAYを元気にやっているということが大前提としてあったうえでのことだから。あとは、どうだろう? 『Journey without a map』に関しては、心からの真摯な言葉であれば評価はいくらでも聞けるし、野次馬のヤジくらいだったら何も気にしない。ただ、ミュージシャンというのはライブをした時に出来が良いか、悪いかは、誰かに言われる前に自分で分かるよね。あのプレイが甘かったなとか、あの場面で乗り切れなかったなとか。それと同じで、今の自分の至らなさとか、ダメさは一番分かっているから。だって、理想の姿は燦然と目の前にあるんだからさ。だから、『Journey without a map』を作ったからといって、天狗になったり、有頂天になったりすることはないよね。それでも、このアルバムを出すことが誰かのためになれば、アルバムの曲が世の中を平和にする立派な大人になってくれれば良いなと思う。それこそ、ノーベル賞を取るくらいのところまでいって欲しいなと。その一方で、人に迷惑さえ掛けなければ、もうそれで良いとも思う(笑)。誰かの気分を害さなければ、それで良い…(笑)。

    ――気分を害するということは、ないでしょう(笑)。先ほど、考えると心臓が痛くなるという言葉もありましたが、来年の2月に行うソロ・ツアーはどんなものになりますか?

    TAKURO:ソロに関しては、インプロビゼーションやアドリブを織り交ぜられる自由度の高さに魅力を感じているから、今回のツアーもそういうものを織り交ぜたライブをすると思う。ただ、松本さんに、とはいえ1時間半くらいで充分と言われた(笑)。でも、たしかにショーというのは適切な時間の中で完結して、オーディンエスを満足させるものであるべきだよね。だから、ダラダラやらずに、『Journey without a map』の世界をキッチリ表現しながら、過度にならない程度に自由度を活かしたライブにしようと思ってる。多分、1時間から1時間半くらいのライブになるんじゃないかな。そうすれば、お客さんはライブを観た後にレストランで食事をしたり、飲みに行ったりできるしね。インストのライブは、今はそういうスタイルが合う気がするんだよね。一晩中インプロの嵐みたいなライブが一番心地好い時代があったけど、そこからまた時代は変わっていて、そういうところに寄り添っていきたいというのはあるよね。1日の中の特別な時間としてライブがありつつ、その後の時間も楽しんだり、1日の中でやっておきたいいくつかのことがちゃんと出来る時間もあるという。良い音楽を聴きに行くデートをして、盛り上がった気持ちを、その後の口説き文句に使っても良いと思うし。実際ブルーノートとかにたまに行くけど、1時間15分とかのライブで大感動するからね。そんな風に、自分のライブも来てくれる人の日々の中で有意義な役割を果たすものになると良いなと思ってる。

    インタビュアー 村上 孝之